お客様は神様なの? 接客業の皆さんに考えて欲しいこと

2021年6月7日

お客様は神様なの? 接客業の皆さんに考えて欲しいこと

パーソナルコーチ&元店長の、やなけん(@yanaken8787)です。

「お客様は神様だろ!」と怒鳴られた事ありますか?

私はあります。

この時は、何があったかというと……。

お客様が店舗に怒鳴り込んで来店し、なだめつつも怒りの根源を探ってよく話を聞いたところ、完全にご自身の勘違いで意図しない状況になってしまい困っている事が判明しました。(オブラートに包んで書くと状況がよくわかりませんね……)

ご不便をおかけした事と不安にさせてしまった事をお詫びし、100%リカバリーはできないけど、責任者である私の裁量で50%ぐらいは希望を叶えてあげられそうだ。

発生した事象は90%以上はお客様の責任なので、これで手仕舞いしてくれないか? と相談をしていた時に、対応に納得できなかったのか「お客様は神様だろ!」と怒鳴られました……。

どちらが正しいのかはさておき、最近、こんな話題もありました。

このページに辿り着いた人は接客に疲れてしまって、仕事に悩んでいる人だと思います。

接客業の醍醐味って、お客様に感謝されたり、自分が本当に良いと感じている商品やサービスをお客様が購入してしてくれて、「あれ良かったよ!」と言ってくれた時などに喜びがあると思います。

もっともっと接客の楽しさを味わって欲しいと願っていますので、この記事を読んでくれた人が、少しでも気が楽に仕事ができるようになれたらいいなと思います。

お客様は神様なの?

そもそもは三波春夫さんの「お客様は神様です」が発端です。

この件に関しては、三波春夫さんの長女である株式会社三波クリエイツ/代表取締役三波美夕紀さんがオフィシャルブログで下記の通り発信されています。

「お客様は神様です」について

三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。

しかし、このフレーズが真意と離れて使われる時には、例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」と、いう風になるようです。そして、店員さんは「お客様は神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いっていうんですか?」という具合。俗に言う“クレーマー”には恰好の言いわけ、言い分になってしまっているようです。

このフレーズへの誤解は三波春夫の生前から有り、本来の意味するところについてを、本人がインタビュ ー取材の折などに尋ねられることも多くあり、その折は次のように話しておりました。

『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです』

三波春夫オフィシャルサイト/「お客様は神様です」について(一部抜粋)

私はずっと「三波春夫め! 余計な事を広めやがって!」と思っていたのですが、実は真意は違ったのですね。言葉の切り取りって怖いですねえ。

三波春夫さん、勘違いしていてごめんなさい。

ところで、一般消費者の立場でどんな時にお金を出すのかなあと考えた時に、その商品やサービスに対して期待や価値が同じか、上回った時に初めてお金を出しているかな? と思います。

例えば、冷たくて美味しい湧き水が誰でも無料で飲める名所で、ペットボトルにその湧き水を汲んで100円で売ってても買わないと思います。

一方で灼熱の太陽の下、カラッカラの砂漠の中でキンキンに冷えた水が1,000円で売っていたら、たとえ中身が水道水だったとしても私は買うと思います。

期待・価値 >= 商品・サービス

お金を出すのは期待や価値が同じか越えた時ですので、お金を出す価値を見出さなければ、いくら安くても買わないのが通常なのではないかと考えます。

商品や価値に対して金銭を支払うかどうかは顧客に委ねられている訳で、

支払わない = 商品・サービス提供を受けない

という選択肢が消費者にはあります。

商品・サービス提供者は、期待や価値が同等、もしくは上回る物を提供しないといけません。

以上の理由から、「顧客 > 商品・サービス提供者」ではなく

顧客 = 商品・サービス提供者

すなわち、対等である公式が成立すると考えています。

接客業に携わっている皆さんは、まず、この部分をしっかりと自分の中で確立しておいて欲しいなと思います。

対等だからこそ、意識して欲しいこと

接客業に携わる皆さんが「このお店いいな」「また来たいな」と思うお店ありませんか?

それは、どんなお店なのでしょうか?

  • 来店時の挨拶を笑顔でしてくれるお店
  • 清潔で商品ディスプレイが見やすいお店
  • 親身になって相談に乗ってくれるお店
  • 困っていることに気づいてくれるお店
  • 買い物が楽しいお店

また来たくなるお店の条件は他にも色々とあるかと思いますが、自分の所属とどんな違いがあるのか確認してみましょう。

お客様に選ばれる(お支払頂く)お店になっていますか?

困っているから怒っている

接客業を生業としていると、稀にものすごく怒って来店されるお客様がいらっしゃいます。スタッフからすると「面倒なのが来たな」「なんで私が出勤の時に」とネガティヴな感情が生まれます。

既に悟りを開いているベテランスタッフになると、お客様がどんな状態で来店しようが何ともないのですが、年次の浅いスタッフや、若いスタッフほどネガティヴな感情が生まれやすいと感じています。

怒って来店されるお客様って、どんな理由で怒っているのでしょうか?

店長やマネージャーとして勤務してきた私の経験として感じているのは、正当な理由であれ、お客様の言いがかりであれ、困っているから怒っているのだと思います。

完全に店舗責任の場合もあるでしょう。

時としてお客様の勘違いが原因の場合もあでしょう。

解決できる場合や、解決できない場合もあるでしょう。

いずれにしても、、、

「なぜ怒っているのか?」
「どんな状況なのか?」
「怒りの根源はなにか?」

お客様と同じ目線での理解と、怒りごとへ共感することが事象解消への早道であり、大切な事と考えます。

顧客教育の重要性

顧客を教育するとは何様だ? と感じる人もいるかもしれませんが、これはとても重要な事なのです。勘違い系クレームの多くは、お客様の理解不足(使い方であったり、機能性能等)が起因している場合が大多数です。

たとえば、「車は定期的にガソリンを給油しないと燃料切れで動かなくなる」という事を知らないお客様が車を購入したとします(あくまでも例ですよ)。

走行中に燃料切れで止まってしまい、後に販売ディーラーにクレームを入れました。

車は給油しないと走れないのは当たり前の事ですが、そのお客様にとっては「給油しないと走れない」のは知らないことです。

この場合は、お客様の知識不足を責めるのではなく、同じ過ちを繰り返さないために顧客教育を実施します。高速道路に入る前は燃料残やタイヤ気圧を確認するなど、便利な使い方や注意点などを教えることが顧客教育に該当します。

アパレルであれば、洗濯時の注意点や服装を合わせる時のヒントですね。

みなさんもそうだと思いますが、自分にとってプラスになる情報や困らないための情報を与えてくれるお店って好きじゃないですか?

顧客教育というのは店舗やあなたのファンを増やす活動でもあるのです。

現在は、どのお店から買うのか?

が、まだまだ主ですが、

誰から買うのか?

この考えが重要な時代に既に突入しています。

これからセルフレジなど、お客様が自ら行動してサービス提供を受ける店舗が増えてくると予想されます。

これを読んでいるあなたが労働市場で生き残っていくためにも、単純な受付や販売だけではなく、あなたから購入するメリットを見出していきませんか?

店長、拠点責任者が目指すべき方向性

完全に私見ですが、私が考える店舗の方向性としては「家族、友人・知人」が自店舗を利用しても問題ないお店になっているのか? 自信を持って勧められるお店なのか? が、店舗ベクトルの全てと考えます。

スタッフへは、今の自分の接客は家族、友人・知人にも問題ない接客なのか?
家族、友人・知人が来店しても問題ない店舗なのか?
恥ずかしくない店なのか?

常に発信していました。

色々とごちゃごちゃ考えるより、お客様に選んでもらう店舗になるには一番近道の考え方のような気がします。実現出来ていると、必然的に来店客数や売上も伸びるでしょう。

世の中には色々な人がいる

接客業は日々、様々なお客様と出会います。

世の中には周囲の事を考えた言動をする人もいれば、自分だけを考えた言動をする人もいます。あなたの理解を超える言動、立ち振舞をする方など本当に色々な人がいます。

世の中には色々な人がいる……。そんな事を認識するだけでも、接客に対して気が楽になるのではないかな。

私は逆に「色々な人がいて世の中広いなー」と、面白いと思ってしまいます。

さいごに

商品やサービスに対して期待や価値が同等か上回った時に消費者はお金を出すこと、店舗スタッフとお客様は対等であること、この2点は間違い無い事実です。

自分の家族、友人・知人が来店しても問題の無いお店なのか? を常に意識して、店舗運営や日々の接客をしてもらえたら嬉しいなと思います。

あなたを指名してくれるお客様が増えてくるとやり甲斐も出てきますし、何よりも気分良く楽しく働けそうじゃないですか?

世の中の接客業の人たちが、楽しく働けることを願っています!

 

著者プロフィール

やなけん
やなけんパーソナルコーチ
1974年生まれ。福岡県出身、神奈川県在住。仕事で行き詰っている時にコーチングと出会い、救われた経験から認定コーチとなる。クライアントは20代〜50代ビジネスパーソン、中小企業経営者と幅広く、テーマも幅広く対応。現在は、国際コーチング連盟(ICF)のACC(Associate Certified Coach)取得に向けて活動中。趣味はプロ野球観戦と宝くじ。好きな物はパフェとアイス。特にセブンプレミアムアイスが大好き。